シャトー・ワイマラマの
哲学
私がこのワイナリーに来たのは1998年。それまで5年間、日本で働いていました。実業家の佐藤氏がニュージーランドでワインビジネスを始めるにあたり、ポテンシャルの高いブドウ畑を探して欲しいと依頼を受け、ホークスベイのこのワイナリーを見つけたのです。前のオーナーは1988年にワイナリーを起こしましたが、その当時からボルドースタイルの上質なワイン造りを目指し、初ヴィンテージから高い評価を得ていました。
私たちが受け継いでからもその哲学に変わりはありません。この土地から可能な限りベストなワインを造り出す。それが目標であり、そのためにはまだやるべきことが山ほど残っています。土地自体は大きなポテンシャルを秘めているので、伸び代の大きなワイナリーと言ってよいでしょう。
それから、土、水、そして空気。ホークス・ベイの豊かな自然を守り、この土地を保護することを信念に、できるだけ化学的な薬品に頼らない、持続可能なブドウ栽培を心がけています。私たちはこのサステイナブル農法を2002年にいち早く導入したワイナリーです。
私たちが受け継いでからもその哲学に変わりはありません。この土地から可能な限りベストなワインを造り出す。それが目標であり、そのためにはまだやるべきことが山ほど残っています。土地自体は大きなポテンシャルを秘めているので、伸び代の大きなワイナリーと言ってよいでしょう。
それから、土、水、そして空気。ホークス・ベイの豊かな自然を守り、この土地を保護することを信念に、できるだけ化学的な薬品に頼らない、持続可能なブドウ栽培を心がけています。私たちはこのサステイナブル農法を2002年にいち早く導入したワイナリーです。
ニュージーランドの
ポテンシャル
ニュージーランドのワイン産業はまだ若く、未熟な部分もある反面、とても可能性を秘めたワイン産地と言ってよいでしょう。大きなアドバンテージをひとつ挙げるならば、ほかの国、とくにヨーロッパのような昔からワインを造っている国々と違い、法律にがんじがらめにされていない点です。
フランスにはAOC、イタリアにはDOCというように、産地名と結びつけられたワイン法があり、ブドウ品種や1ヘクタールあたりの最大収量など、こと細かな取り決めがあります。これらのワイン法は産地の特徴をワインに表現するには有効な一方、造り手の個性を制限してしまう可能性が否定できません。
その点、ニュージーランドはたいへん寛大で、どこにどのブドウ品種を植えるのも自由ですし、ブドウ畑でもワイナリーでも、造り手が思ったとおりの試みが許されます。失敗したら、次の手立てを考えればよいのです。そうした試行錯誤を重ね、ニュージーランドワインは今、世界のトップクラスのワインと正面から渡り合える品質を備えつつあるのです。
フランスにはAOC、イタリアにはDOCというように、産地名と結びつけられたワイン法があり、ブドウ品種や1ヘクタールあたりの最大収量など、こと細かな取り決めがあります。これらのワイン法は産地の特徴をワインに表現するには有効な一方、造り手の個性を制限してしまう可能性が否定できません。
その点、ニュージーランドはたいへん寛大で、どこにどのブドウ品種を植えるのも自由ですし、ブドウ畑でもワイナリーでも、造り手が思ったとおりの試みが許されます。失敗したら、次の手立てを考えればよいのです。そうした試行錯誤を重ね、ニュージーランドワインは今、世界のトップクラスのワインと正面から渡り合える品質を備えつつあるのです。
シャトー・ワイマラマの
受賞歴と展望
シャトー・ワイマラマのワインは、過去15年間で100以上もの受賞歴があります。多くは海外の国際ワインコンクールにおける受賞ですが、ニュージーランド国内のコンクールでも多くのメダルを獲得しています。2012年にはある国際的なワインコンクールでゴールドメダルを戴きました。
しかしながら、私たちは決してコンクールのためにワインを造っているわけではありません。海外にはしばしばコンクール向けに造られたとしか思えない、インパクトの強いワインがありますが、私たちが目指しているのはそのようなワインではありません。強烈なインパクトのワインは、ひと口目こそその凝縮味に圧倒されますが、2杯目、3杯目と飲み進めることのできないものがほとんどです。
私たちは目指しているのはバランスのとれた味わいであり、2杯、3杯と飲み進めるほどに美味しさが増し、気づいたら1本が空になってしまうようなワインです。そして私たちのワインを購入し、飲んでくださった方々が、「今まで飲んだワインの中で一番おいしい」と言ってくださることが、一番の喜びなのです。
しかしながら、私たちは決してコンクールのためにワインを造っているわけではありません。海外にはしばしばコンクール向けに造られたとしか思えない、インパクトの強いワインがありますが、私たちが目指しているのはそのようなワインではありません。強烈なインパクトのワインは、ひと口目こそその凝縮味に圧倒されますが、2杯目、3杯目と飲み進めることのできないものがほとんどです。
私たちは目指しているのはバランスのとれた味わいであり、2杯、3杯と飲み進めるほどに美味しさが増し、気づいたら1本が空になってしまうようなワインです。そして私たちのワインを購入し、飲んでくださった方々が、「今まで飲んだワインの中で一番おいしい」と言ってくださることが、一番の喜びなのです。
シャトー・ワイマラマの
次のステップ
2000年以降、私たちはブドウ畑の改修に多くの時間とお金を費やしてきました。偉大なワインを造るには、その原料となるブドウの品質がなによりも重要と考えたからです。元のブドウが悪ければ、どんな腕利きの醸造家がいようとも、どんな最新の設備をもっていようとも、優れたワインを造ることなどできません。
そしてブドウ畑の改修を終えた今こそ、次のステップに向かう時だと考えています。新しい除梗機を入れ、ブドウの粒を潰さずに優しく送れるポンプを導入し、ワイナリー全体の温度を一定に保つ空調設備も整えました。
そして私たちはこのたび、フランスから優秀なアドバイザーを迎え入れることができました。ルドウィッグ・ヴァネロン氏です。彼はボルドーを拠点に活躍するワインコンサルタントで、著名なミシェル・ローランとともに長年働いてきました。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといったボルドー系のブドウ品種の栽培やワイン醸造に長けており、非常に信頼がおけます。
彼の助言の影響はすでに現れています。ブドウの収穫から圧搾までそのプロセスが大きく変わりました。この後、各ロットのワインをブレンドする段階で、私たちはまたきっと驚かされることになるのでしょう。
将来は、世界のベストワイナリーのトップ10位以内にランクインしたいと考えています。
そしてブドウ畑の改修を終えた今こそ、次のステップに向かう時だと考えています。新しい除梗機を入れ、ブドウの粒を潰さずに優しく送れるポンプを導入し、ワイナリー全体の温度を一定に保つ空調設備も整えました。
そして私たちはこのたび、フランスから優秀なアドバイザーを迎え入れることができました。ルドウィッグ・ヴァネロン氏です。彼はボルドーを拠点に活躍するワインコンサルタントで、著名なミシェル・ローランとともに長年働いてきました。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといったボルドー系のブドウ品種の栽培やワイン醸造に長けており、非常に信頼がおけます。
彼の助言の影響はすでに現れています。ブドウの収穫から圧搾までそのプロセスが大きく変わりました。この後、各ロットのワインをブレンドする段階で、私たちはまたきっと驚かされることになるのでしょう。
将来は、世界のベストワイナリーのトップ10位以内にランクインしたいと考えています。
シャトー・ワイマラマのヴィンテージ
- 2009年
- 乾燥した気候の年で、ブドウの粒が小さく、糖度が高かった。偉大なヴィンテージ。
- 2010年
- 11月の遅霜により生産量が3分の1しかなかった年。ワインの調和をとるのが難しかった。
- 2011年
- 飲みやすいスタイルのワインを十分な量生産できたまずまずのヴィンテージ。
- 2012年
- 雨が多く、ニュージーランドのワイン産業の歴史上、もっとも過酷だった年。
- 2013年
- 2009年と同様、偉大なヴィンテージ。夏は暑く、乾燥。糖度が高かった。
- 2014年
- 早い時期に雨があり、十分な日照時間を得るため収穫を遅らせた年。エレガントなワイン。
- 2015年
- 気候は暑く、雨もほとんど降らず、2009年、2013年と並ぶ偉大な年。
- 2016年
- インディアンサマーの年。収穫をぎりぎりまで引き延ばした結果、質の高いブドウが収穫できた。
Profile
栽培家・ディレクター / Managing DirectorChase Arquetteチェイス・アークエット
1998年より、ワイナリーの運営に従事。ワイナリー運営および栽培監修を務め、高品質なワインの生産に手間と愛情を注いでいる。テロワールを大切にし、2002年にはNZでもいち早く、サステイナブル農法を導入。シャトー・ワイマラマの育ての親のような存在。